デュアルヘッド(マルチノズル)3Dプリンターとは
「デュアルヘッド」「デュアルノズル」「マルチエクストルーダー」……呼び方はバラバラですが、要するにフィラメントを2系統以上同時に扱える3Dプリンターのことです。
従来のシングルノズル機で多色印刷をするには、色を替えるたびにフィラメントを引き抜いて新しい色を装填し直す必要がありました。デュアルヘッド型なら、ノズルが2つあるので切り替えがスムーズ。最近はAMS(自動素材切り替え)やIFS(インテリジェントフィラメントシステム)を搭載した進化版も出ています。
正直、「デュアルヘッド」で検索する人は2色同時プリントをイメージしていると思いますが、今のトレンドはAMS方式に移行しつつあるのが実情。筆者としては、旧来の2ノズル型よりAMS/IFS搭載機の方が使い勝手も品質も上だと感じています。

デュアルヘッドって言っても、今はAMS方式がメインなんだな。時代は変わるねえ
デュアルヘッド・マルチノズル対応5機種を比較
| 機種名 | メーカー | 色数 | 方式 | 印刷速度 |
|---|---|---|---|---|
| FLASHFORGE AD5X | Voxelab | 4色 | IFS | 非公開 |
| Bambu Lab A1 Combo | Bambu Lab | 4色 | AMS lite | 500mm/s |
| QIDI Q2 | QIDI TECH | 1色(単色) | シングル | 600mm/s |
| Creality K2 PRO COMBO | Creality | 多色 | CFS | 600mm/s |
| ELEGOO Centauri Carbon | ELEGOO | 1色(単色) | シングル | 500mm/s |
見ての通り、純粋な「デュアルヘッド(2ノズル)」は減少傾向で、AMS・IFS・CFSなど外付けシステムによる多色対応がスタンダードになりつつあります。

単色モデルもランクインしてるのは、デュアルヘッド目的以外でも使えるからか
ランキング5選
第1位:FLASHFORGE AD5X

IFS(インテリジェントフィラメントシステム)搭載で最大4色の自動切り替えに対応。従来のデュアルヘッド型にありがちだった「使っていないノズルからフィラメントが垂れて造形物を汚す」という問題が起きにくい設計です。
日本法人があるFLASHFORGE(Voxelab)製なので、日本語のサポートが受けられるのも安心。ぶっちゃけ、多色印刷を始めたい人が最初に買う1台として、今一番バランスが良いと思います!!
FLASHFORGE AD5X マルチカラー3Dプリンター 4色印刷 IFS搭載 FDM方式
IFS方式の4色自動切り替えで垂れ汚れ知らず
第2位:Bambu Lab A1 Combo

AMS lite搭載で4色対応。色替え時のフィラメント廃棄量が少ないのがBambu Labの強みで、パージタワーが他社比でかなりコンパクト。500mm/sの高速印刷も健在です。
Bambu Studioのペイント機能で3Dモデルに直接色を塗り分けられるので、多色データの作成がラク。微妙な点はAMS liteが4色までという制限。もっと色数が欲しい場合はP1S ComboやP2Sの方がいいですが、4色で足りるならコスト的にはA1 Comboが最良の選択肢です。

パージタワーが小さいって、フィラメント代に直結するから地味に重要だよな
Bambu Lab A1 Combo 3Dプリンター AMS lite付き 多色造形対応 500mm/s高速
フィラメント廃棄量が少ないAMS liteで4色対応
第3位:QIDI Q2

QIDI Q2はシングルノズル機ですが、65℃の加熱チャンバーを搭載した密閉型で、ABSやASAなどエンジニアリング素材に強い機種です。デュアルヘッドを探している人の中には「水溶性サポート材を使いたい」という需要もあると思いますが、Q2なら本体の素材対応力が高いのでサポート材の選択肢が広がります。
600mm/sの高速+CoreXY構造で、精度面も申し分なし。惜しいのはマルチカラーには非対応という点。純粋に色替えが目的なら他の機種を選んでください。
QIDI Q2 3Dプリンター 密閉型FDM 65℃加熱チャンバー搭載 600mm/s高速 CoreXY構造
エンジニアリング素材に強い密閉型
第4位:Creality K2 PRO COMBO

CFS(Color Filament System)によるマルチカラー対応。600mm/sの高速印刷とCoreXY構造を組み合わせた、Crealityの本気モデルです。
造形サイズが大きめなので、フィギュアやインテリア雑貨など大物のカラープリントにも対応可能。筆者が試した限り、色替え精度はBambu Labに若干劣る印象ですが、印刷速度ではこちらが上回る場面も。
正直、Bambu Lab一強の多色市場に風穴を開ける存在として期待大の1台です。

Bambu Lab以外の選択肢が増えるのはユーザーとしてはありがたい話だ
Creality K2 PRO COMBO 3Dプリンター 多色造形 600mm/s高速 大型 CoreXY構造
大型&爆速。Crealityの多色対応フラッグシップ
第5位:ELEGOO Centauri Carbon

ELEGOOのCoreXY機で、カーボンファイバー対応の300℃ノズル搭載。多色対応ではありませんが、デュアルヘッドを探す人の中には「異素材の組み合わせ(PLA+サポート材、PLA+カーボンなど)」を求めている層もいるはず。
Centauri Carbonなら1ノズルでカーボン混合フィラメントに対応するので、強度が求められるパーツを量産するのに向いています。500mm/sの高速印刷と密閉チャンバーの組み合わせで、安定した出力が可能。
わかりませんが率直に言うと、純粋な「2色同時印刷」を求めるならこの機種は対象外。ただ、素材のバリエーションで選ぶならアリです。

ELEGOOって光造形のイメージが強かったけど、FDMにも本格参入してるんだな
ELEGOO Centauri Carbon 3Dプリンター CoreXY構造 500mm/s高速 カーボンファイバー対応
カーボン対応ノズルで強度パーツも出力可能
デュアルヘッドからAMS時代へ——買い方のヒント
旧来の2ノズル式デュアルヘッドは、正確な位置合わせが必要で調整が面倒だったり、片方のノズルから垂れたフィラメントが造形を汚すトラブルが付きものでした。AMS/IFS/CFS方式はこれらの問題をシステム側で解決してくれるので、マルチカラー印刷のハードルが一気に下がっています。
●桜庭 海筆者はデュアルヘッド機からAMS機まで複数台を使い分けるガジェットライター。展示会やメーカーへの取材・リサーチをもとに、体験に基づく記事を書いています。


