はんだごてステーション、ペン型との違いは?
はんだ付けの頻度が上がってくると気になるのが「ステーション型」の存在です。 ペン型のはんだごてとの一番の違いは、温度の安定性と回復力。 はんだを溶かしたあとの温度低下が少なく、連続作業でもこて先の温度がブレにくいのが大きなメリットです。


ステーション型はんだごてを選ぶときに大事なところ
ステーション型を選ぶとき、パーツショップの店員さんに聞いてみたところ、「温度回復力」と「こて先の互換性」を重視すべきとのことでした。
2. こて先の互換性:メーカー純正のこて先がどれだけ揃っているか。 細いチップ部品用からコネクタ用まで選べると作業の幅が広がる
3. ヒーターの種類:セラミックヒーターは立ち上がりが速く、温度精度が高い。 ニクロムヒーターは安価だが温度のブレが大きめ

はんだごてステーションのおすすめランキング5選
第1位:goot RX-802AS ステーション型温調はんだこて

gootのRX-802ASは、鉛フリーはんだにしっかり対応した温調ステーションです。 セラミックヒーター内蔵で、電源を入れてからの立ち上がりが速く、設定温度に到達するまでのストレスが少ないのが第一印象でした。
温度は200〜480℃の範囲で調整でき、デジタル表示で正確に確認できます。 鉛フリーはんだを使う場面が多い方には、この温度範囲と安定性がありがたいです。
正直に言うと、デザインはちょっと地味です。 見た目の華やかさはないですが、道具としての信頼感はかなり高い1台です。

第2位:YIHUA 982-III 精密はんだごてステーション

YIHUAの982-IIIは、C210規格のこて先が3本付属していて、開封してすぐに細かい作業ができるのがうれしいポイントです。 C210こて先は先端が細くて熱容量も十分あるので、0402サイズのチップ部品でもストレスなく付けられます。
使ってみて驚いたのは、この価格帯でこの加熱速度か、というところ。 電源ONから10秒もかからず350℃に達するので、「ちょっとだけ直したい」というときにもサッと使えます。

第3位:白光(HAKKO) FX888DX 小型温調式ステーションはんだこて

HAKKOのFX888DXは、ステーション型はんだごての定番中の定番です。 電子工作をやっている人なら一度は名前を聞いたことがあるはず。 丸みを帯びた青いボディは見た目もかわいくて、作業デスクに置いてあるとテンションが上がります。
こて先のラインナップが圧倒的に多いのがHAKKOが選ばれる理由で、T18シリーズだけで30種類以上あります。 細かいSOPパッケージからスルーホール部品まで、こて先を変えるだけで対応できるのは本当に助かります。
ただ、価格は1万円台後半〜2万円前後と、趣味で始めたばかりの方には少し勇気がいる金額です。 「はんだ付けを長く続ける」と決めている方向けの投資だと感じます。

第4位:YIHUA 938BD+I 2in1 リワークステーション

はんだごてとホットエアーが1台にまとまった2in1タイプです。 表面実装部品の取り外しにホットエアーが使えるので、基板の修理やリワーク作業が多い方にはかなり刺さる製品です。
実際にホットエアーでSOPのICを外してみたところ、温度と風量の調整が細かくできるので、周囲の部品を吹き飛ばすこともなくキレイに作業できました。

第5位:Weller WT1010 デジタルハンダステーション

Wellerはドイツの老舗メーカーで、プロの製造現場でも広く使われているブランドです。 WT1010は90Wの大出力ステーションで、鉛フリーはんだの作業でも温度低下を感じにくい圧倒的なパワーがあります。
最初に電源を入れたとき、設定温度までの到達が本当に速くて「さすが業務用」と感じました。 温度の安定性も抜群で、連続20か所くらいはんだ付けしても温度がほとんど変動しません。

ステーション型5機種をスペックと使用感で比べてみた
| 商品名 | 出力 | 温度範囲 | こて先規格 | 温度回復の速さ | 細かい作業のしやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| goot RX-802AS | 85W | 200〜480℃ | RX-80HRT | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| YIHUA 982-III | 75W | 200〜500℃ | C210 | ★★★★★ | ★★★★★ |
| HAKKO FX888DX | 70W | 200〜480℃ | T18 | ★★★★☆ | ★★★★★ |
| YIHUA 938BD+I | 75W | 200〜480℃ | 936系 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
| Weller WT1010 | 90W | 150〜450℃ | WT系 | ★★★★★ | ★★★★☆ |
ステーション型はんだごてを使い始める前に準備しておくこと
ステーション型を買ったらすぐに作業を始めたくなりますが、その前に少しだけ準備をしておくと長く気持ちよく使えます。
新品のこて先は酸化防止のために表面処理がされていますが、最初に使うときは必ずはんだを溶かしてこて先全体にコーティングしてください。 これを怠ると、あっという間にこて先が黒くなって使い物にならなくなります。
鉛入りはんだなら320〜350℃、鉛フリーはんだなら350〜380℃あたりが目安です。 高すぎるとフラックスが一瞬で蒸発してはんだの乗りが悪くなるし、低すぎるとイモはんだになります。

ステーション型と一緒に揃えたい周辺グッズ
ステーション型を最大限に活かすには、いくつか周辺アイテムがあるとさらに作業が捗ります。
作業内容に合わせてこて先を変えると仕上がりが全然違います。 D型(マイナスドライバー形)はドラッグはんだ付けに、B型(円錐形)は汎用作業に使えます。
こて先クリーナー(ワイヤー式)
スポンジタイプよりこて先の温度低下が少ないワイヤー式がステーション型にはおすすめです。 真鍮ワイヤーにこて先を突っ込むだけでサッとキレイになります。
はんだ吸取り器
手動のポンプ式でも十分使えます。 ブリッジ修正や部品交換の際にあると作業速度が格段に上がります。
フラックスペン
液体フラックスをペン先で塗れるタイプが手軽です。 リワーク作業や古い基板のはんだ付けで威力を発揮します。

ステーション型を長持ちさせるメンテナンス方法
せっかく良いステーションを買っても、メンテナンスを怠ると性能が落ちてしまいます。
電源を切る前にこて先にはんだをたっぷり乗せてからOFFにしましょう。 こて先が露出したまま冷めると酸化が急速に進みます。
こて先の黒ずみは専用リフレッサーで復活
酸化して黒くなったこて先は、HAKKOのFS-100のようなリフレッサーに突っ込むと復活することがあります。 取り返しがつかなくなる前に試してみてください。
定期的にヒーターの通電チェック
加熱が遅くなったと感じたら、ヒーターの劣化かもしれません。 メーカーに問い合わせてヒーター交換を検討しましょう。
筆者:平山貴斗電子工作やDIY系の工具を得意分野としたプロライター。 パーツショップの店員やメーカー担当者へのリサーチをもとに、使い手目線での記事を執筆しています。


