88鍵のMIDIキーボードって、ピアノ弾きがDTMを始めるとき一度は検討するモデルです。 ただ、価格も重さもサイズもなかなかのもので、気軽に「とりあえず買う」とはいきません。

88鍵ってどのくらい場所を取るんだろう?って気になりますよね。横幅はだいたい130cm前後で、普通の学習机だとギリギリか、はみ出します。
そもそも88鍵のMIDIキーボードはどんな人に必要?
88鍵はピアノの鍵盤数と同じフルサイズです。 クラシックのピアノ曲をそのまま弾きたい方、両手で広い音域を使ったアレンジをする方にとっては必須のサイズです。
ジャズやゴスペルなど広い音域を使う演奏スタイル
ピアノ練習用としても兼用したい
左手のベースラインと右手のメロディを同時に弾き分ける作業が多い
逆に、シンセ音色のメロディやコードを入力するだけなら61鍵以下で十分です。 88鍵は重さ10kg超えが普通なので、持ち運びや模様替えのときに「重っ!」ってなります。 正直、筆者は自宅から一度も動かしていません。
3機種を実際に触って感じた違いを比較
| モデル名 | 鍵盤アクション | 重量 | コントロール類 | ピアノ弾きの満足度 | 持ち運びやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| Nektar IMPACT LX88+ | セミウェイテッド | 約8.6kg | パッド8個/ノブ8個/フェーダー9本 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| Roland A-88mk2 | ハンマーアクション(PHA-4) | 約13.4kg | なし | ★★★★★ | ★★☆☆☆ |
| Studiologic SL8 MK2 | ハンマーアクション(TP/400 Wood) | 約17kg | ノブ/スライダー/ボタン類あり | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ |

「ピアノ弾きの満足度」と「持ち運びやすさ」は見事に反比例してますよね。鍵盤の質が上がるほど重くなるのは宿命です。
MIDIキーボード 88鍵のおすすめ3選
第1位:Nektar Technology IMPACT LX88+

88鍵モデルの中ではかなり軽い部類で、約8.6kgしかありません。 届いたときに「88鍵なのにこの軽さ?」と驚きました。 セミウェイテッド鍵盤なのでグランドピアノの弾き心地とは違いますが、打ち込みとリアルタイム演奏を両方やる方にはちょうどいい重さのタッチです。
パッド8個、ノブ8個、フェーダー9本とコントロール類が充実していて、DAW操作をキーボード上でかなりこなせます。 Nektarの独自ソフトで主要DAWとの連携もスムーズです。

価格が3万円台で買える88鍵って実はかなり少ないので、予算重視なら間違いなくこれです。フェーダーが多いのも地味にうれしい。
Nektar Technology IMPACT LX88+ MIDIキーボードコントローラー 88鍵
軽量+コントロール充実の高コスパモデル
第2位:Roland A-88mk2

鍵盤を押した瞬間に「あ、これピアノだ」と感じるレベルのタッチです。 RolandのPHA-4スタンダード鍵盤はピアノ弾きの間でも評判が良くて、グランドピアノに近い打鍵感を再現しています。
コントロール類はホイールとボタン程度で、ノブやフェーダーは付いていません。 割り切って「弾くこと」に全振りしたモデルです。 USB-C接続でバスパワー駆動するので、電源アダプタが不要なのは助かります。
弾き心地は文句なしですが、ミキサー操作などはマウスかDAWコントローラーが別途必要になります。 ここは好みが分かれるポイントです。

ピアノをずっと弾いてきた方で「MIDIキーボードの鍵盤が軽すぎて弾けない」と感じていたなら、A-88mk2を触ってみてください。考えが変わると思います。
Roland A-88mk2 MIDIキーボードコントローラー 88鍵盤
ピアノタッチにこだわるならこの1台
第3位:Studiologic SL8 MK2

イタリアのFatar社が手がけるTP/400 Wood鍵盤は、木製パーツを使ったハンマーアクションで、弾き心地の良さはこの3機種の中でもトップです。 えっ、この値段でこの品質やばくない!!と思うほどの鍵盤クオリティでした。
コントローラー機能も充実していて、スティックやスライダー、ボタン類でDAW操作も可能です。 ライブ演奏用としてステージで使うプロミュージシャンも多いモデルです。

正直、予算に余裕があって弾き心地を最優先するなら、SL8 MK2を選んで間違いないです。ただ17kgは覚悟が必要ですよ。
Studiologic SL8 MK2 88鍵盤 ハンマーアクション MIDIキーボード
プロ仕様の木製鍵盤モデル
88鍵MIDIキーボードを快適に使うためのコツ
88鍵の本体幅は130cm前後ですが、サステインペダルやケーブルのスペースも考えると、横幅140cm以上のデスクかスタンドが必要です。
スタンドは耐荷重20kg以上のものを選ぶ
X型の安価なスタンドだと、重いモデルを載せるとグラグラすることがあります。 Z型かテーブル型のスタンドが安定します。
サステインペダルはハーフペダル対応がベスト
88鍵を買うなら弾き心地にもこだわっているはずなので、ペダルもハーフペダル対応のものにすると表現の幅が広がります。
電子ピアノとMIDIキーボードで迷ったときの判断ポイント
88鍵のMIDIキーボードを検討している方の中には「電子ピアノでもよくない?」と迷っている方もいると思います。
電子ピアノ向き:ピアノ練習がメインで、DTMはたまにやる程度。本体スピーカーで音を出したい方。
どっちも使う:最近の電子ピアノはMIDI出力できるモデルも多いですが、DAWとの連携はMIDIキーボードのほうが断然ラクです。

微妙なラインですが、DTMの作曲が目的なら電子ピアノよりMIDIキーボードのほうが結果的に使いやすいです。MIDI信号の扱いやすさが違います。
●いとう こうDTM機材や音楽制作ツールの記事を中心に執筆しているプロライター。今回は楽器店スタッフや実際のユーザーへのリサーチをもとに、88鍵MIDIキーボード3機種の弾き心地やDAW連携の違いを比較しました。


