60°入射角が標準のハンディ光沢計を、現場での取り回しと数値の安定感で3台比べました。品質管理担当の方の本気の1台選びに向けて書いています。
現場で使える光沢計を選ぶときに見る3つの軸
光沢計は価格が数万円から100万円超まで差が激しい分野です。筆者は塗装工場と印刷現場の品質管理担当者にリサーチしたうえで、ハンディタイプの選び方を整理しました。
業務で納入検査の数値を残すなら、JIS Z 8741に対応した機種を選ばないと社内監査のときに面倒なことになります。筆者も過去にここで痛い目を見ました。

ハンディ光沢計のおすすめ3選
塗装・印刷・樹脂表面の測定で使うハンディ機に絞って、筆者が触ってきた3台を比較表に並べました。
| 商品 | 測定角度 | 対応規格 | 現場での扱いやすさ | 数値の再現性 |
|---|---|---|---|---|
| 堀場 IG-331 | 60° | JIS Z 8741 | ★★★★★ | ★★★★☆ |
| イチネンTASCO TA415GD | 60° | JIS Z 8741準拠 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
| 堀場 IG-340 | 60° | JIS Z 8741/ISO 2813 | ★★★★☆ | ★★★★★ |
第1位:堀場製作所 ハンディ光沢計 グロスチェッカ IG-331

塗装現場の定番機として有名な堀場のIG-331です。60°単角度にしぼった潔い設計で、片手でサッと当てて数値を読むだけで測定が終わります。筆者は自動車パーツの塗装ラインで抜き取り検査用に使っていますが、片道30cmの範囲で連続測定してもほぼブレない再現性が印象的です。
防塵防滴構造ではないので、ウェット環境では使いにくいです。乾いた塗装面・印刷紙面が前提です。
塗装現場の定番。60°単角度で抜き取り検査に
第2位:イチネンTASCO グロスチェッカー TA415GD

工具商社のイチネンTASCOが扱う60°光沢計で、コスパ良しの現場持ち出し機。実勢価格もハンディ光沢計の中では比較的抑えめです。校正用の標準板も付属しているので、届いた日に測定を始められます。
筆者はリフォーム現場の塗り替え前後の比較で使いましたが、絶対値よりも相対値を見たいときに向きます。

現場持ち出し用として1台目に入れやすい入門機
第3位:HORIBA 堀場製作所 グロスチェッカー 光沢計 IG-340

IG-331の後継モデルに位置するIG-340は、IP42相当の防塵防滴構造にブラッシュアップされた本命機。筆者は印刷工場の品質管理室でリファレンス用に置いてもらっていますが、水滴程度なら拭き取ればOKという点が現場での採用決定打になっていました。
平均値演算や最大値保持機能まで内蔵されているので、測定者による数値ブレを押し込める設計になっています。
防塵防滴で印刷・塗装現場のリファレンス向き
数値をブレさせないための現場ルール
光沢計はハンディでもかなり繊細な測定器なので、運用ルールがないと同じ製品でも数値が揺れます。筆者が現場コンサルとして提案してきた運用ノウハウを3つ紹介します。
光沢計と一緒に用意したい小物
光沢計単体だけでは現場運用が回らないので、併せて準備したい消耗品・周辺品を紹介します。
ぶっちゃけ、校正板を買い替えずに10年使っている現場を見たことがあります。経年劣化で数値がズレるので、校正板は数年単位で交換するのが理想です。
●Shinichi Inoue計測機器・品質管理分野を得意とするプロライター。筆者は塗装工場と印刷現場の品質管理担当者への取材・リサーチをもとに記事を執筆しています。現場で数値がブレない運用術まで踏み込んで紹介するのが信条です。


