安い加湿器を探していると、ほとんどの商品に「超音波式」と書かれていて、何がほかと違うのか分からなくなりますよね。
超音波加湿器は、水を温めずに細かい霧にして出す加湿器です。
静かで電気代も安い一方で、手入れをさぼるとタンクの雑菌まで一緒に部屋へ出してしまう弱点があります。
ここでは超音波加湿器の仕組みと、ほかの方式との違い、雑菌と白い粉を防ぐ毎日の手入れのやり方を順番に紹介します。
超音波加湿器とは水を振動させて霧にする加湿器

超音波加湿器とは、タンクの水に超音波の振動を当てて細かい霧にし、そのまま部屋に出す加湿器のことです。
本体の底には振動子と呼ばれる部品があり、これが1秒間に数万回という速さで震えます。
その振動で水面から小さな水の粒が飛び出し、ファンの風に乗って吹き出し口から出ていきます。
吹き出し口から白い煙のような霧が見えるのが、超音波加湿器の見分け方です。
超音波加湿器の霧は熱くない
超音波加湿器はヒーターを使わないので、出てくる霧は水と同じくらいの温度です。
吹き出し口に手を近づけてもやけどをしないため、子どもやペットのいる部屋でも置き場所に困りにくい加湿器です。
その代わり、水を一度も温めないので、タンクの中の水はそのまま霧になって出ていきます。
ここが、あとで書く手入れの話につながる大事なところです。
超音波加湿器とほかの加湿方式の違い
家庭用の加湿器は、大きく分けると超音波式、気化式、スチーム式、ハイブリッド式の4つです。
超音波式は本体が安くて電気代も少ない代わりに、手入れの手間がいちばんかかる方式です。
| 方式 | 加湿のしかた | 電気代 | 手入れの手間 |
|---|---|---|---|
| 超音波式 | 振動で水を霧にする | 少ない | 多い(毎日) |
| 気化式 | 濡れたフィルターに風を当てる | 少ない | フィルターの掃除 |
| スチーム式 | ヒーターで水を沸かす | 多い | 水あか落とし |
| ハイブリッド式 | ヒーターと別方式を組み合わせる | 中くらい | 組み合わせで違う |
スチーム式は水を沸かすぶん雑菌の心配は少ないですが、消費電力が数百Wになる製品が多く、電気代がかかります。
気化式は電気代が少なく霧も出ませんが、加湿のスピードはゆっくりです。
ハイブリッド式には、超音波式にヒーターを足して水を温めてから霧にするタイプもあります。
超音波加湿器が選ばれるのは静かで電気代が安いから

超音波加湿器が売り場で多く並んでいるのは、運転音が静かで電気代が安く、本体も小さく作れるからです。
寝室で使っても音が気になりにくい超音波加湿器
超音波加湿器の振動は耳に聞こえない高さの音なので、運転中に聞こえるのはファンの小さな音くらいです。
枕元に置いても眠れるという声が多く、寝室用に選ぶ人が多い方式です。
消費電力は数Wから30W前後の超音波加湿器が多い
ヒーターを使わないため、超音波加湿器の消費電力は数Wから30W前後の製品が多く出ています。
1日中つけていても、スチーム式に比べて電気代はかなり少なくて済みます。
アロマを使える超音波加湿器も多い
本体の構造がシンプルなので、小さくてデザインの凝った超音波加湿器がたくさん出ています。
アロマオイルを入れるトレーが付いた商品も多く、香りを楽しみたい人にも選ばれています。
ただし、アロマオイルをタンクに直接入れると故障の原因になる機種があるので、説明書で入れる場所を確かめてください。
超音波加湿器で気をつけたい雑菌と白い粉
超音波加湿器で気をつけたいのは、タンクの水が汚れていると、その雑菌も霧と一緒に部屋に出てしまうことです。
水を温めず、フィルターも通さないため、タンクの中にあるものはそのまま空気中に出ていきます。
超音波加湿器の雑菌とレジオネラ症
加湿器が原因になったレジオネラ症の感染事例が報告されていると、保健所が注意をよびかけています。
前の日の水を足しながら使い続けると、タンクの内側や振動子のまわりにぬめりが出て、雑菌が増えやすくなります。
せきや熱など体調に気になることがある場合は、自己判断せずに医療機関に相談してください。
家具に付く白い粉は水道水のミネラル
超音波加湿器のまわりの床や家具に白い粉が付くことがあります。
これは水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが、霧と一緒に飛んで乾いたものです。
テレビやパソコンなどの家電の近くに置くと粉が付きやすいので、家電から離して置くのがおすすめです。
超音波加湿器のタンクは水道水で毎日入れ替える

超音波加湿器を清潔に使ういちばんのやり方は、タンクの水を毎日すべて捨てて、新しい水道水に入れ替えることです。
毎日やる超音波加湿器の手入れ
- タンクと本体に残った水をすべて捨てる
- タンクに水を少し入れてふたをし、何回か振って洗う
- 本体の水がたまる部分をやわらかい布でふく
- 新しい水道水を入れる
継ぎ足しはせず、残った水は毎回捨てるのが基本です。
週に1回の超音波加湿器の手入れ
- タンクと本体を外せる部品に分ける
- 中性洗剤をつけたスポンジでぬめりを落とす
- 振動子のまわりは綿棒や付属のブラシでこする
- 水ですすいで、風通しのよい日陰で乾かす
白い水あかが付いてきたら、クエン酸を溶かした水にしばらくつけてから洗うと落としやすくなります。
ただし、使える洗剤は機種によって違うので、説明書に書かれたやり方を先に確かめてください。
精製水や浄水器の水を入れないほうがいい理由
白い粉を減らそうとして、精製水や浄水器を通した水を入れる人もいます。
ところが、水道水に入っている塩素が抜けた水は、タンクの中で雑菌が増えやすくなります。
保健所の案内でも、加湿器には水道水を使うようにと書かれています。
白い粉が気になる場合は、水を変えるより、置き場所を家電から離すほうが安全です。
シーズンが終わってしまうときは、水を完全に抜いて乾かしてからしまいましょう。
超音波加湿器が向く部屋と向かない部屋
毎日水を入れ替えられる人の6畳前後の寝室やワンルームなら、超音波加湿器が向いています。
超音波加湿器は、加湿量が1時間あたり300mlから400mlくらいの小型の製品が多く、広いリビング全体を潤すのは苦手です。
超音波加湿器が向いている人
- 寝室や子ども部屋など6畳前後の部屋で使いたい人
- 電気代を少なく抑えたい人
- 水を毎日入れ替えられる人
ほかの方式を選んだほうがいい人
- 手入れを週に1回くらいにしたい人は気化式
- 雑菌がどうしても心配な人はスチーム式か加熱するハイブリッド式
- 14畳以上のリビングで使いたい人は加湿量の多い気化式やハイブリッド式
超音波加湿器は、手入れを毎日の習慣にできるかどうかで向き不向きが分かれます。
朝に水を捨てて、夜に入れ直すだけでも続けられそうなら、超音波加湿器から試してみてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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