ドラッグストアで石の板を見かけて、これで顔をこすると何が変わるのかが分からないまま棚に戻した。カッサとは、石や角で作った板を肌に当ててなで、血の流れとリンパの流れを促す中国由来の手入れです。期待できるのはむくみ、こり、肌の血色の3つで、病気を治す医療の効果ではありません。赤くなるまでこすると逆に肌を傷めるので、力加減と回数を先に知ってから使うのが順番です。仕組み、効果の範囲、顔と頭皮と体のやり方、使ってはいけない人まで読めば、夜の5分で試せます。
カッサとは板で肌をなでて血の流れを促す中国由来の手入れ
カッサは漢字で「刮痧」と書き、「刮」はこする、「痧」は皮膚に出る赤い点を指します。中国で2000年以上前から続く民間の療法で、板で皮膚をこすって赤い点を出し、体の中の悪い物を外に出すと考えられてきました。品川美容外科のコラムでは、2500年以上前からある療法として説明されています。
日本には2000年代に美容の方法として入ってきました。中国式のように赤い点が出るまでこするのではなく、オイルを塗った肌を板でなでる程度の力で使う「フェイスカッサ」として広まっています。この記事で書くのは、日本で家庭向けに売られているこの使い方です。
道具は手のひらに収まる大きさの板で、素材と形で分かれます。顔用は縁が波の形か眉の形、頭皮用はくしの形、体用は羽か魚の形が多いです。初めての1枚は、顔用の天然石かステンレスで十分です。
| 素材 | 特徴 | 向く部位 |
|---|---|---|
| 天然石(水晶、ローズクォーツ、翡翠) | ひんやりして肌ざわりがよい。落とすと割れる | 顔、首 |
| 水牛の角 | 軽くて温かみがある。水に弱い | 顔、体 |
| ステンレス | 割れず洗える。冷やして使える | 顔、頭皮、体 |
| 樹脂、木 | 軽くて安い。くしの形の頭皮用が多い | 頭皮 |
期待できる効果はむくみとこりと血色の3つ
カッサで期待できるのは、顔のむくみ、首や肩や頭皮のこり、肌の血色の3つです。板で一定の向きになでると、滞っていたリンパの流れと血の流れが促され、たまった水分が流れてむくみが引き、筋肉が温まってこりがゆるむ、というのが美容外科や整骨院のコラムで説明されている仕組みです。
むくみは、その場で顔の輪郭が変わって見えるので、いちばん分かりやすい変化です。ただし脂肪が減るわけではないので、小顔になるというより、むくみで大きく見えていた分が戻る、と考えてください。効果は数時間から1日で、続けると朝のむくみが出にくくなる、という声が多いです。
こりは、板の縁で筋肉に圧をかけながら動かすことで、手で押すより狭い面に力が集まります。首の後ろから肩、頭皮の生え際から後頭部へと動かすと、目の疲れや頭の重さが軽くなる、と整骨院のコラムに書かれています。血色は、皮膚の下の細い血管に血が流れて肌の温度が上がり、顔色が明るく見える変化です。
ここまでの効果は、いずれも一時的な血行の変化で、医療の効果ではありません。神戸きしだクリニックの記事でも、頭皮のカッサは補助的な手入れで、白髪を黒くするような直接の効果はない、と医師が説明しています。頭痛やこりが何日も続くときは、カッサで様子を見ずに医療機関に相談してください。
赤くなるまでこするのは間違い、肌が少し動く力で3〜5回
カッサで肌を傷める人のほとんどは、力が強すぎるか、回数が多すぎるかのどちらかです。力は肌が少し動く程度、同じ場所は3〜5回まで、痛気持ちいいと感じたら強すぎ、これが笹塚のりゅう鍼灸整骨院が示している目安です。ゴリゴリと音がするような使い方は、効いているのではなく傷めています。
赤い点や赤みが出るのは、皮膚の下の毛細血管が壊れた状態です。赤から紫、茶色と変わって1週間から10日ほどで消えますが、繰り返すと色素沈着として残ります。中国式の療法では赤みを出しますが、日本の美容用途の板は、赤みを出さない使い方が前提です。
板の角度も大事です。RAXYの記事では、板を進む向きに45度ほど寝かせ、引くように滑らせる、と案内されています。立てて当てたり、逆向きに押したりすると、皮膚を削る動きになります。オイルかクリームを塗って滑りをよくするのは、この摩擦を減らすためです。
顔はオイルを塗って中心から外、下から上に流す
顔は、化粧水のあとにオイルかクリームを塗ってから始めます。向きは顔の中心から外へ、下から上へ、最後に耳の下から鎖骨へ流す、この3つを守れば、細かい手順は多少違っても構いません。1回5分、週に2〜3回が目安で、毎日やる必要はありません。
2. 鎖骨の2cmほど上を、板の縁で軽くほぐす
3. あごから耳の下へ、頬から耳の前へ、板を寝かせて3〜5回なでる
4. 額は眉間から生え際へ、目のまわりは眉間から目尻へ流す
5. 最後に耳の下から首の横を通って鎖骨まで、上から下へ流す
6. 板を水で洗い、布で拭いて乾かす
手順の2と5にある鎖骨は、顔から流れてきた水分の出口です。先に出口をほぐしてから顔を流し、最後にもう一度鎖骨へ落とすと、流した分が首でたまりません。品川美容外科のコラムでも、耳の前から流す前に鎖骨の上をほぐす手順が入っています。
力は、板が肌の上を滑る程度で足ります。頬骨の上や目のまわりは皮膚が薄いので、板の重さだけで動かすつもりで構いません。終わったあとに赤みが残るようなら、次からは力を半分にしてください。夜の化粧水のあとに5分、これだけで習慣になります。
頭皮は生え際から頭頂へ引き上げる、1回5分まで
頭皮には、くしの形のカッサを使います。おでこの生え際から頭頂に向かってゆっくり引き上げ、耳の上は上に向かって小刻みに動かし、最後に耳の後ろから首の付け根へなで下ろす、この順で1回5分、長くても10分までが、神戸きしだクリニックの記事で医師が案内している使い方です。
頭皮も乾いたままこすると傷むので、椿オイルやホホバオイルなどを頭皮に塗ってから使うのが基本です。風呂の中でシャンプーの前に使えるくし型なら、湯で濡れた頭皮にそのまま使えて、汚れも浮きます。強くこすると髪を引き抜いたり頭皮を傷つけたりするので、なでる力で十分です。
頻度は毎日1回でも、週2〜3回でも構いません。一度に長くやるより、短い時間を続けるほうが向いています。頭皮に傷や湿疹があるときは休んでください。目の疲れと頭の重さを感じる人が、顔のカッサと一緒に持つと使い分けができます。
体は足先から心臓へ、押すときはこすらない
体に使うときの動きは、流す、押す、ほぐすの3つです。流すときは板の広い面で、足先から太ももの付け根へ、手先から肩へと心臓に向かってなで、押すときは板の突起をこりに当てて動かさない、この使い分けをRAXYの記事が案内しています。ふくらはぎは足首からひざへ、肩は首から腕の付け根へが基本の向きです。
体は入浴後にオイルを塗ってから使うと、肌が温まっていて滑りもよくなります。神田第一接骨院のコラムでは、終わったあとに体を冷やさないよう案内されています。冷えると血の流れが戻ってしまうので、寝る前に布団の中で温かくしておくのが向いています。1部位1〜2分で十分です。
最初の2週間は週2回、5分、赤くならない力で慣らす
カッサとは、板で肌をなでて血の流れとリンパの流れを促す手入れで、効果はむくみ、こり、血色の3つ、いずれも一時的な血行の変化です。最初の2週間は顔だけ、週2回、1回5分、赤くならない力で慣らすところから始めてください。効果を急いで力を強くすると、色素沈着で後戻りできなくなります。
2週間たって赤みが一度も出ていなければ、頭皮のくし型か、体への使い方を足します。むくみはその場で、こりは1週間、肌の血色は1か月続けてから判断すると、やめどきを間違えません。何も変わらないと感じたら、それはカッサが合わないのではなく、むくみやこり以外の原因があるということなので、医療機関で相談してください。
そろえるのは、顔用の板1枚と、滑りをよくするオイルの2つだけです。板は1,000円台の天然石かステンレスで足り、オイルは顔と体に使えるホホバオイルが1本あれば、頭皮にも回せます。夜の化粧水のあとに5分、板を寝かせてあごから耳の下へなでる、そこから始めてください。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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